ヒートショック対策リフォーム
暖房しているリビングや寝室は暖かいけれど、浴室や廊下、トイレは寒いという家は要注意です。
身体に大きな負担が掛かるヒートショック現象を起こしやすい状況にあります。
対策の鍵は、家の中の温度差を無くすよう断熱リフォームをしておくことにあります。
■ヒートショックとは
ヒートショック現象とは、急激な温度差に身体がさらされることで、
血圧や脈拍が大きく変動し、体調を崩す現象のことです。
ヒートショック現象は主に浴室で発生しています。
寒い冬の日に、冷え切った浴室で急に熱いお湯につかることで急激な体調変化を引き起こし、
中には気分が悪くなってそのまま気を失い、溺水するケースも少なくありません。
現在、年間約17,000人の人が、ヒートショックにより家庭内で急死していると推測されています。
また脳卒中や心筋梗塞を引き起こすため、寝たきりの原因のひとつにもなっています。
17,000人と言ってもなかなかぴんときませんが、数字だけ見れば、
道路を歩いているより家の中にいるほうが4倍以上も危険ということになります。
特に浴室が寒い家は要注意です。これから健康に暮らし続けるためにも、できるだけ早く対策しておきましょう。
■窓の断熱リフォームが効果的
ヒートショック対策として効果的なのが、窓の断熱リフォームです。
家から逃げる熱の多くが窓から出ていっています。
真冬に窓のそばに立つと寒い家は、窓の断熱性能が低いことが原因です。
そこで窓の断熱性能を上げるのに手軽なのが、内窓の取り付けです。
内窓とは今ある窓の内側に樹脂製のサッシを取り付ける方法で、1ヶ所2時間程度ででき
寒さを防ぐだけでなく、結露防止や防音効果もあります。
また1階の場合は、床下の断熱リフォームも効果があります。
床下に潜って断熱材をはめこんだり吹き付けたりするだけででき、
工事をしたその日から効果が実感できます。
壁は内外に断熱材を張る、穴を開け中に発泡断熱材を充填する、
壁を剥がして中にはめ込む方法など様々な手法がありますので、
家の構造や現在の状況、予算にあわせて選びましょう。
■浴室と脱衣室を暖かくする
家全部を断熱するのが難しい場合は、裸になる脱衣室と浴室だけでもヒートショック対策をしておきましょう。
窓には内窓を取り付け、脱衣室の床下に断熱材を入れるだけでも寒さが軽減できます。
特に浴室の窓は見逃しがちなので、忘れずに断熱化を行っておきましょう。
洗面所には小さな暖房器具を置きましょう。足元に暖房用のコンセントを増設しておくと便利です。
浴室には後付けができる浴室暖房換気乾燥機もあります。
また今どきのシステムバスは断熱性能が高いので、タイルの浴室からシステムバスに交換すると、とても暖かくなります。
ただし部屋ごとに断熱リフォームをする場合は、1部屋の中にある窓は全て断熱しておきましょう。
1ヶ所だけ残すとそこに結露が集中してしまうことがありますので注意して下さい。
■暮らし方にも工夫が必要
暮らし方にも工夫が必要です。
寒い日にいきなり熱いお湯にざぶんと浸かるようなお風呂の入り方は、ヒートショック現象を起こしやすくなります。
まずは脱衣室と浴室を暖め、それからぬるいお湯にゆっくりと入るよう心がけましょう。
お風呂に入る前に、熱いシャワーを5分ほど床に当てて流しておくだけでも、浴室内が暖まります。
現代の暮らしでは、冬に暖かい家にしておくことが健康に暮らせる家にするポイントです。
ちなみに冬に暖かい家は、夏にエアコンが効きやすい家でもあります。
冬も夏も健康に快適に暮らせる家を目指しましょう。
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